かぶりろぐ

医療職OLのゆるっとブログ

巷にUV殺菌を謳った製品が溢れているので、注意喚起をしてみる。

こんにちは。まいまいかぶりです。

今日は、UV殺菌灯を使用した製品についてざっくり調べて、ざっくり注意喚起します。
個人的には、私を含めた一般人が扱うには少々難ありと思います。

 

UV殺菌とは

UV(紫外線)を使用した殺菌方法です。

UV(紫外線)の種類

世の中に存在する光は、その光の波長によって
目に見える光(可視光線
目に見えない光(紫外線(~400nm)、赤外線(700nm~)) に分けられます。

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光の分類(気象庁HPから引用)

上図の左側3つにある「UV-〇」と書かれている部分が、紫外線と呼ばれている光の波長です。気象庁HPによると、UVの種類は以下の3つに分類されます。

UV-A (315-400 nm)
 大気による吸収をあまり受けずに地表に到達します。
 生物に与える影響はUV-Bと比較すると小さいものです。
 太陽からの日射にしめる割合は数%程度です。

UV-B (280-315 nm)
 成層圏オゾンにより大部分が吸収され、残りが地表に到達します。
 生物に大きな影響を与えます。
 太陽からの日射にしめる割合は0.1%程度です。

UV-C (100-280 nm)
 成層圏及びそれよりも上空のオゾンと酸素分子によって全て吸収され、
 地表には到達しません。

 

 UV殺菌灯で採用されるUVの種類

実験機器の製造等で有名な企業、アズワンのHPでは以下のとおり解説があります。

殺菌作用は波長253.7nm付近が最も強く、その殺菌力は
直射日光にも含まれている波長350nmの紫外線の約1,600倍にも達します。
(中略)
紫外線の殺菌力は、菌種、温度、湿度、その他の条件によって異なりますが、
(中略)殺菌線放射量即ち放射照度(W/ ㎡)×照射時間(秒)によって
表すことができます。
従って、一般的に照射時間を2倍にすれば放射照度を1/2にしても
同じ殺菌効果が得られます。
この放射照度は、殺菌灯の大きさ、照射器具の型、照射距離によって変わります。

 各メーカーから発売されている殺菌灯の特徴にもよりますが、
紫外線の波長とその明るさ(照度)、照射時間によって前後します。

UV殺菌灯が管理しづらい理由

そもそも人体に有害

殺菌作用が強い波長(253.7nm)付近は、気象庁のUVの分類だとUV-BやUV-Cの波長です。
これらの波長は、有害微生物を殺菌できる代わりに、ヒトを含めた無害な(微)生物にもダメージを与えます。
ヒトに与える影響は、重度の日焼け、眼障害や(程度が重い場合)皮膚がん等が挙げられます。
UV殺菌灯を取り扱う際は、直接、UVを浴びないようにできる構造(装置の扉を閉じたら作動する等)の製品を取り扱うことが重要です。

UV殺菌灯には、有効照射時間がある

UV殺菌灯は、普通の蛍光灯やLEDライトと異なり、
有効照射時間を過ぎると「光っていても殺菌効果がゼロ」になります。
メーカーの有効照射時間を守り、時期が来たら適切に交換することが重要です。
私も仕事で外回り営業で企業訪問をする際、UV殺菌灯の有効照射時間のお話は、頻繁にご案内する事項です。

一般家庭における感染症予防対策は、手洗いで十分

私がいる職場における感染予防対策は、以下の3つです。

  • 正しい方法での手洗い
  • (余力があればアルコールで手指消毒)
  • (アルコールに耐えられる素材には、)
    汚れを取り除いた後にアルコールを含ませた布等で拭き上げる。

特別な道具が無くても、しっかり予防はできます。
手洗いについては、後日改めて記事にしたいと思います。

おわりに

各種感染症の感染に対する危機感から、色々な消毒剤やグッズが販売されています。
どれも、謳い文句が耳障りの良いものばかりですが、中には信ぴょう性に
欠けるものも存在しています。
消費者を騙すような企業理念の会社は論外ですし、
「淘汰されてほしい」と腹立たしくなる限りです。
消費者が正しい情報にたどり着けられるような世の中になってほしい、と
仕事をしていく中でひしひしと感じております…。

参考資料

www.data.jma.go.jp

www.as-1.co.jp

それでは、またお会いしましょう~!