こんにちは。まいまいかぶりです。
今回は、食品衛生課が改正されたことに伴って、原則すべての食品関係事業者に対して導入が義務化されたHACCPについて更新します。
HACCPについては、今後、食品業界に携わる予定がある方や、
食品流通について興味がある方であればぜひ知っていただきたい用語です。
HACCPの導入は、もともと東京オリンピック開催に合わせ、
「日本も食品衛生管理はHACCPを推しています!」と全世界へ広報するための政策でした。
オリンピック開催が延期になったところですが、HACCPの考え方自体は
食品製造・調理の分野のみならずどの分野にも応用できる良い内容と思います。
HACCPの7原則12手順や、今回の改正食品衛生法で求めている
HACCP導入の区分について盛り込むと記事がかなり長くなるため、
まずは導入編ということでHACCPの基本的な考え方をこの記事で書いていきます。
詳しい内容は、おいおい更新したいと考えています。
HACCPとは
世界中で取り入れられている衛生管理の考え方です。
単語の読みは人によって「はさっぷ」、「はせっぷ」と様々です。
「はさっぷ」と読んでいる人が多い印象です。
HACCPは主に、3段階に展開していきます。
※あくまで私が、HACCPの相談業務や講習会運営で感じ取った考え方です。
考え方は何通りもあると思います。
1. 一般的衛生管理(=日常の衛生管理)
食品工場(または厨房)全体の衛生管理(日常の清掃や機械類の保守点検、従業員の健康管理)について方向性を決定させます。
検討内容の例:建物の保守点検、清掃方法、
機械設備のメンテナンス時期 等
決定させたあとは、マニュアル等でまとめて、全ての従業員が同じ完成度で作業できる環境を整えます。(各従業員の我流で管理してしまったら、ムラができてしまうため。)
なお、マニュアルで決定した事項は、毎日実践できているかを可視化させるため、分野ごとに記録用紙を作成し、記録していきます。
2. 危害分析
一般的衛生管理で衛生管理の方向性を決定させた後は、食品や料理の製造工程(レシピ)を持ち出し、その工程ごとに発生する可能性がある危害を見つけ出します。なお、この危害分析で指す危害は、基本的に「ヒトの健康を害するおそれがある危害」です。
見つけ出した危険性を、
「一般的衛生管理を実践すれば防げる危害」
と
「一般的衛生管理を実践しても防ぎきれない危害」
に分けていきます。
3. 重要管理点(の制御)
危害分析の段階で、
「一般的衛生管理を実践しても防ぎきれない危害」と判断した危害について、
その危害をどのように管理していくかの方向性を決定させます。
ちなみに、私は仕事で、この危害を「特に注目する危害」と呼んでいます。
記録の蓄積(これが重要かも)
上記1.~3.の検討の過程を明文化し、記録に残していきます。
この記録がHACCPを語る上で重要になっていきます。
マニュアル化できるものはマニュアル化し、実施記録を残すものは残し、
有事(クレーム対応や事件対応)に備えておきます。
「なんとなくやっている」ことが減り、製造(調理)工程が可視化できるため、
機械のメンテナンス等がスムーズにいくことが多いです。
記録の蓄積が重要で、継続して実践することが困難なことが多いです。(ここががんばりどころ)
2021年6月からHACCP導入は完全義務化
改正食品衛生法により2020年6月からHACCP導入が義務化されました(※)。
コロナ禍の中で大変な状況とは思いますが、一応、法律上では淡々と進んでいるところです。
※:2020年6月~2021年5月末までは移行(準備)期間とされています。
2021年6月以降は、HACCPを導入していない食品関連事業者に対し、
保健所の食品衛生監視員は指導を入れるようになります。
参考資料
(とっつきにくいかもしれませんが、)この記事で書ききれなかった事柄を含め、正確な情報を伝えている厚生労働省のHPをご参照ください。
良くも悪くも行政の情報ですし!(良くも悪くもって失礼か)
食品衛生法の改正についても、ご興味あればどうぞ。
おわりに
HACCPは、以下のような流れで進みます。
一般的衛生管理で日常の衛生管理方法をまとめ、
↓
危害分析で食品の製造(調理)工程の危害を探し、その危害の種類を分類して、
↓
重要管理点(の制御)で、特に注目したい危害とした危害の管理方法を決定していく。
以上の流れは労力がかかるため、とっつきにくい印象を受けてしまいますが、
一度行えば、食品関係事業者の皆様の武器になってくれると思っています。
それでは~!まいまいかぶりでした。